Aさんは、乳児期の検診で股関節脱臼がわかり、コルセットを固定する処置を受けました。小学校や中学校では元気に過ごしていましたが、その後、股関節に痛みが出たため受診し、股関節回転骨切術を受けました。術後の経過は良好で、退院後は何一つ不自由なく毎日を過ごしました。
学生の間は、駅の階段の昇り降りも平気で、水泳やスキーなど、様々なスポーツを全力で楽しんでいました。卒業後に就職してからも、残業をこなすなど元気に働き、結婚後は2人のお子さんを出産しました。育児や家事、お子さんの運動会では全力で走ったり、家族旅行を楽しんだりと、足腰を使っても何の問題もなく、平気だった日々が何十年も続きました。
Aさんは、子供が大きくなってから新しい仕事に就きました。立ち座りの多い仕事でしたが、一生懸命に業務をこなしていました。ある頃から、仕事終わりに足に痛みを感じるようになりました。今まで感じたことのないような変な痛みだと思い、近くのC病院を受診しました。レントゲン検査を受け、股関節に変形があると診断されたため、通院して経過観察することになりました。その後も痛みは続きましたが、仕事がとても忙しく、通院が途絶えてしまいました。市販の痛み止めや湿布で我慢していましたが、次第に夜も眠れないほど痛みが激しくなっていきました。
痛みに耐えきれなくなったAさんは、専門医がいるD総合病院を受診しました。主治医から早期に人工股関節の手術をするよう勧められました。Aさんは悩み、痛みに耐えながら仕事をしていましたが、もう無理だと感じて手術を決意し、休職して人工股関節置換術を受けました。術後は筋力や体力を戻すため、一生懸命リハビリ施設に通いました。しかし、Aさんは痛みが出るようになってからずっと股関節をかばって歩いていたため、左右の筋力バランスが悪くなっており、時々T字杖が必要になりました。
その後Aさんは復職しましたが、立ち座りの多い仕事のため、悩んだ末に退職することにしました。仕事ができない毎日に、将来への不安が募つのり、なにか助けになる物がないかとインターネットで探して、富山障害年金相談センターに、ご相談をいただきました。
Aさんは人工股関節の手術を受けているため、障害厚生年金3級を受給できる可能性高いです。しかし、子供の頃に股関節脱臼で受診した時が初診日となると、障害基礎年金の対象となり、障害基礎年金には3級がないため、受給できません。
当センターではAさんの状況から、障害厚生年金の対象になると考えました。
今回の申請における最大のポイントは、初診日がいつであるかを正しく伝えることです。
当センターでは、Aさんやご家族様からこれまでの歩みについて詳しくお話をうかがい、内容を丁寧に整理しました。これまでの経過が正しく伝わるように、丁寧な資料作成を行い、障害厚生年金を申請しました。
審査の結果、大人になって受診した日が初診日として認められ、障害厚生年金3級の支給が決定しました。働くことができず、日々の医療費や生活費を心配されていたAさんは、無事に受給が決まったことで大変安心されたご様子でした。
第2章でも触れた通り、人工股関節を挿入置換された場合、原則として障害厚生年金3級の対象となります。
障害年金は初診日に加入していた年金制度で審査されるため、「子どもの頃に治療や手術を受けたことがある」という場合、初診日が子どもの頃と判断されると、現在どれだけ働けなくなり困っていても、年金が全く支給されないという厳しい結果になってしまいます。これは、子どもの頃が初診日でも受給できる障害基礎年金には、3級がないためです。
このようなケースでは、過去の手術から現在までの経過などを、書類へ正しく反映させることが大切です。こういったケースでは、自分だけで必要な情報を整理し、整合性のとれた書類を作成することはとても難しく、専門知識が求められます。
当センターでは、お客様のこれまでの歩みを丁寧にお聞きし、受給につなげるための適切な資料作成をサポートしています。子どもの頃に病気やケガの経験があり、申請を諦めかけている方は、ぜひ一度プロのサポートをご検討ください。
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