天疱瘡は自己免疫疾患のひとつで、皮膚、口腔粘膜などに水疱、びらんを生じる疾患です。
抗体とは体の中にウィルスや害をなすものが入ってきたときに免疫細胞から発射される武器のようなもので、標的としたものを破壊する働きがあります。
本来はウィルスや細菌などに反応してその感染を防ぐものなので、自分の組織や細胞を攻撃することはありません。
しかし、自分で自分を攻撃してしまう抗体現れることがあり、そのせいで体の組織が障害を受ける病気を自己免疫疾患と言います。
天疱瘡の場合は、皮膚、口腔粘膜、食道などの粘膜の表面にある、接着をつかさどる蛋白(デスモグレイン)に対して自己抗体が産生されている状態です。
デスモグレインは粘膜の表皮細胞同士をくっつけるのに重要な役割を果たしています。
自己抗体がこのデスモグレインを攻撃してしまうと接着機能が低下することで粘膜の表皮細胞がばらばらになり、粘膜の表面に水疱ができ、しかもその水疱が簡単に破れてびらんが生じるという状態になってしまいます。
大部分の症例は、尋常性天疱瘡と落葉状天疱瘡に分類されます。
尋常性天疱瘡では、デスモグレイン3(Dsg3)に自己抗体ができている状態です。デスモグレイン3は、主に粘膜(口腔、食道など)にあり、少しだけ皮膚にもあるため、このタイプの方は主に粘膜に症状が現れます。皮ふにも水泡やびらんが現れる方もいます。
尋常性天疱瘡のなかでも、デスモグレイン3(Dsg3)とデスモグレイン1(Dsg1)両方に自己抗体ができてしまうタイプの方を粘膜皮膚型といいます。この型の場合、皮膚と粘膜両方に症状が現れます。
落葉状天疱瘡では、デスモグレイン1(Dsg1)に自己抗体ができています。デスモグレイン1は、主に皮膚にあるために、皮膚にだけ症状が現れて口の中などの粘膜部分に症状が現れることはありません。
天疱瘡の水泡はかゆくありませんが、なかなか治らず、皮膚をこすっただけで水泡になることもあります。
尋常性天疱瘡では、口の中の粘膜に水疱とびらんが生じます。このびらんは非常にしみるため、食事をしにくくなったり、飲み物を飲むことさえ出来なくなったりすることがあります。
口の中以外にも唇、喉、目の結膜などの粘膜に水泡やびらんが生じます。一度びらんが出来ると治るのに一週間以上かかったりします。
落葉状天疱瘡では、頭、顔面、胸、背中などに落屑(皮膚がフケ状に剥がれたもの)を伴う赤い皮疹(紅斑)や浅いびらんが生じます。重症例では全身の皮膚に拡大することもありますが、粘膜症状は見られません。
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